太一ism -タイチズム-

山田太一(脚本家)さんのドラマ、文章、言葉を書き記し

2014-01-01から1年間の記事一覧

てめえで、自分を大事にしなくて、誰が大事にするもんか~映画 「異人たちとの夏」

異人たちとの夏 - Wikipedia 幼少期に亡くした両親と、中年になった主人公が再会、交流、別れる物語。 別れ際の両親に主人公が、 交流時の良い関係を振り返るが 両親が長生きしていたら、親孝行したかどうかなんてわからない、 と嘆いたあと、父親のセリフ。…

完全に伝わらないが、伝えようとしている姿勢・気持ちは伝わる ~講演会より

ある講演会にて、 質問で子供に勉強を教えているが、中々伝わらない、 という問いに対し、 以前の記事でも書いたように、所詮はわかりあえるはずがない、と。 続けて、 完全に伝わることはないけども、 あなたが伝えようとしている姿勢・気持ちは伝わるんだ…

老人の恋心 ~ドラマ「ながらえば」

NHKオンデマンド | ドラマ ながらえば 老人の恋は、しばしば山田太一氏が掲げるテーマ。 1982年の作品ながら、いつ見ても新鮮さ、重厚さがある。 笠智衆と宇野重吉のシーンが素晴らしいが、 「老人は恋なんでしないでしょ」、という周囲の思いを裏切って進む…

断念するということ ~書籍「生きるかなしみ」

書籍「生きるかなしみ」に、 可能性を追い続ける社会に対する、 山田太一氏の「断念するということ」という寄稿がある。 全ての人にあてはまるわけではない、 という氏のいつもの素敵な細やかさで前置きしながらも、 あともうひと頑張りすれば、一つ上の学校…

ピッツァ ~ ドラマ「ありふれた奇跡」

ありふれた奇跡 - Wikipedia 2009年から放映された連続ドラマ。 楽しみにしていた山田太一ファン、相当数いたでしょう。 ドラマはかなり上質で、見返すたびに心地よい。 自殺にスポットを当てている点、 3.11後のPodcastで山田太一氏が、 大災害の一…

「世間には、お前にも俺にも、深い関心を持っている人間なんていない」 ~親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

山田太一さんが父親に口癖のように言われていた言葉ということ。 少年期に浴びる言葉としては相当厳しいものだと思うが、 山田作品の根底にあるものだと思う。 ある講演会では、「所詮他人は理解できっこない」という旨の発言もしているし、 インタビュー等…

「大学どこ?」 ~ふぞろいの林檎たち

発する人、場面、声色などによって、捉え方が違う言葉です。 ドラマ「ふぞろいの林檎たち」では、主人公の一人、仲手川良雄(中井貴一)が、有名大学同士のコンパに紛れ込み、見つかり、問い詰められる場面に使われます。 このあとに続く、他の有名大学生の…